キリストの福音と他の福音

2023-08-16
キリストの福音と他の福音

天国を望み、イエス様を救い主として信じる者にとって、『福音』はとても重要なものです。この『福音』によって、救いを受け、天国に入ることができるからです。救いを受けるためには、イエス様が伝えてくださった『福音』が何なのか、明確に知らなければなりません。今日、ほとんどの教会が守っている日曜日やクリスマスは、実はキリストの福音ではありません。

キリストの福音と他の福音

この地での人生には苦痛や苦難がつきものです。何の苦しみもなく、この人生を生きていく人はいないでしょう。ときに楽しさや癒しもありますが、この苦難の人生を生き抜いた先に待っているものは、死です。どのような人生を歩んでも、死を免れることのできる人はいません。このような憐れな人類のために、イエス様が天国の福音を伝えに、この地まで来てくださいました。

マタイによる福音書 4章23節 イエスはガリラヤ中を回って、諸会堂で教え、御国の福音を宣べ伝え、また、民衆のありとあらゆる病気や患いをいやされた。

『福音』とは、文字的に見てもわかるように『祝福の知らせ』という意味です。また、御国とは、天国のことで、簡単に言えば、「永遠に幸せな天国が存在する。このようにすれば天国に入れる。」という知らせを、イエス様が伝えに来てくださったのです。

また、使徒パウロは、イエス様が伝えたもの以外の福音はないとはっきりと断言し、ほかの福音に惑わされないようにと警告しました。

ガラテヤの信徒への手紙 1章6~9節 キリストの恵みへ招いてくださった方から、あなたがたがこんなにも早く離れて、ほかの福音に乗り換えようとしていることに、わたしはあきれ果てています。ほかの福音といっても、もう一つ別の福音があるわけではなく、ある人々があなたがたを惑わし、キリストの福音を覆そうとしているにすぎないのです。しかし、たとえわたしたち自身であれ、天使であれ、わたしたちがあなたがたに告げ知らせたものに反する福音を告げ知らせようとするならば、呪われるがよい。わたしたちが前にも言っておいたように、今また、わたしは繰り返して言います。あなたがたが受けたものに反する福音を告げ知らせる者がいれば、呪われるがよい。

「ほかの福音を告げ知らせるなら、呪われるがよい」と二度も繰り返して、厳しく警告したことから、ほかの福音がどれほど忌まわしく、わたしたちを救いから遠ざけてしまうものなのかを悟ることができるでしょう。ほかの福音に惑わされないためにも、わたしたちはイエス様の福音が何なのか明確に知らなければなりません。

キリストの福音とは何か

では、キリストの福音とは、具体的に何を指すのでしょうか。キリストの福音を知ってこそ、キリストの福音とほかの福音を見分けることができます。

マタイによる福音書 24章14節 そして、御国のこの福音はあらゆる民への証しとして、全世界に宣べ伝えられる。それから、終わりが来る。

マタイによる福音書 28章18~20節  イエスは、近寄って来て言われた。「わたしは天と地の一切の権能を授かっている。だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」

24章14節の御言葉は、弟子たちがイエス様に、世の終わりのときに起こることを尋ねたときに仰った御言葉です。イエス様は、「福音が全世界に宣べ伝えられてから、終わりが来る」と教えてくださいました。ところで、28章では、「世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」と勇気付けてくださり、「すべての民に、あなたがたに命じておいたことを守るように教えなさい」と仰いました。つまり、『イエス様が御自ら教え、命じておかれたこと』が『キリストの福音』だということです。また、福音には、イエス様が御自ら模範を示してくださったことも含まれます。

ヨハネによる福音書 13章15~17節 わたしがあなたがたにしたとおりに、あなたがたもするようにと、模範を示したのである。はっきり言っておく。僕は主人にまさらず、遣わされた者は遣わした者にまさりはしない。このことが分かり、そのとおりに実行するなら、幸いである。

救い主であられるイエス様の行跡そのものが、福音です。イエス様の模範に倣って、キリストが歩まれた道を行くことが、キリストの福音に従うことになるのです。

聖書を調べてみれば、イエス様は御自分の掟として、安息日を守られたのを確認することができます(ルカ4:16)。また、弟子たちと共に過越祭を守られ、十字架で流される御自分の犠牲の血を、その過越祭のぶどう酒に込められました(マタ26:26)。

キリストの模範に倣って行った使徒たち

また、初代教会の使徒たちは、イエス様の教えに従い、イエス様の模範に倣いました。

コリントの信徒への手紙一 11章1節  わたしがキリストに倣う者であるように、あなたがたもこのわたしに倣う者となりなさい。

コリントの信徒への手紙は、使徒パウロが記録しました。イエス様から教えを受け、模範に倣った使徒たちは、どのような信仰の道を歩んだのでしょうか。聖書で調べてみれば、彼らがイエス様と同じように、安息日を守り(使徒17:2~3、18:4)、過越祭を守ったことがわかります(1コリ11:23~)。またベールの掟がキリストの教えであることも記されています(1コリ11:2~)。

今日、世界中ほとんどの教会が、週間礼拝として日曜日に礼拝をささげ、毎年クリスマスを盛大に祝っています。しかし、聖書の中に、イエス様やその教えを受け継いだ弟子たちが、日曜日礼拝やクリスマスを守る場面を探すことができません。また、クリスマスは、イエス様の聖誕日でもありません。(参照『クリスマスはキリスト教の祭りではない』)

使徒パウロは、先述したガラテヤの信徒への手紙1章6~9節で、キリストの福音以外のほかの福音はないと断言しました。日曜日礼拝やクリスマスは、ほかの福音に他なりません。他の福音を捨て、キリストの福音である、安息日、過越祭、ベールの掟などを守って、イエス様が導いてくださる天国に入りましょう。